アニメ「ソードアート・オンライン」ヒロイン、京手描友禅で表現　〈京都新聞〉9月21日朝刊

人気アニメ「ソードアート・オンライン」（SAO）のヒロイン、アスナをモデルに制作した京手描友禅を、伝統工芸士の女性が完成させた。21日から京都市内で行われたマンガ・アニメの総合見本市「京都国際マンガ・アニメフェア（京まふ）」のイベントで披露された。

アニメの原作となったライトノベルの刊行１０周年を記念した取り組み。最先端の物語と伝統を融合させようとアニプレックス(東京)が企画した。

制作したのは、京友禅の伝統工芸士、富川愛莉紗さん＝奈良市。仮想空間で水の精霊の姿で戦うヒロインをイメージし、ブルーを基調に、一面にスイレンの花が咲く振袖をデザインした。ヒロインが持つ剣のデザインをブルーグリーンの箔(はく)で表現。おしべや花びらの輪郭、流水などに金銀箔をふんだんに使い、華やかな振袖に仕上げた。引き染や金彩などの工程も伝統工芸士が担当し、伝統の技を結集した作品を、約半年かけて作り上げた。富川さんは「三十数年間、友禅の仕事をしているが、アニメのヒロインに着物を制作したのは初めて。彼女のりんとした強さやかわいらしさを表現した」と話す。

21日に京都市左京区のロームシアター京都で開かれた「SAO10周年記念ステージin京都」で、ヒロイン役の声優戸松遥さんが着用して登壇した。